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病い経験
2017 / 06 / 08 ( Thu )
病いがある人もそうでない人も「死」を意識するものだが、「病い」の経験によって日常生活が困難になり、疾患の悪化や死を意識しなければいけないことは非常にストレスとなる。


病が慢性となってる人はたくさんの喪失感を味わう。

健康問題が原因で離別や別居など愛情、異存の対象となる家族を失ったり、
入院や長期的な療養により慣れ親しんだ生活環境を失ったり、地位や役職、身体的な健康状態、誇りや自信なども失う。

このようなネガティブな認知は調査研究が数多くなされている。

そしてこのようなストレスはどのように軽減できるのだろうか、とう研究もなされてきた。

ストレス対処能力とよばれ、同じストレスを受けてもうまく対処できる場合とうまく対処出来ない場合があり、その違いはどこからうまれてくるかという観点である。

このストレス対処能力を向上させることにより、病から受けるストレスを最小限にさせることが期待され、数多くの研究がなされ、実践にもつながっているという。

これはストレスのネガティブは部分にのみ着目するのではなく、むしろストレスのポジティブな部分に着目することである。


ストレスを経験すると世の中の見方が変わってくる、という経験をした人は少なくないだろう。


私の経験ですぐ思いついたのが、起きあがれないほどの辛い二日酔い。
辛すぎる時期が過ぎ、治ったらどこも痛くなく、吐き気のない平常な状態ってパラダイスだと心の底から思う。
楽園に住んだら楽園を感じないのと同じく、いつも健康だとその有り難みを忘れがちである。

どこも痛くない事の幸せを再確認したり、ほおっておいてくれた事、駅でトイレがあいていたこと、
様々な今まで何とも思っていなかったことに感謝するようになる。
そして目の前で苦しんでいる二日酔いの人に対しても寛容になれる。

もう一つ、昔、とても親しい人のお母様が亡くなった時、悲しみのどん底にいるその人にかける言葉がなかった。
もし自分も同じ経験をしていたら、経験した人だけが知ってる励ましの言葉を言えたかも知れないとそのとき強く思ったのを覚えている。

最後に、私は昨年のはじめ心療内科に通っていた。
メンタルをやられていたときは異常に人の言葉に敏感になっていたと思う。
友人のなにげない言葉に勝手に傷つき、自分の望む言葉を言ってくれる人を求めた。


自分が経験したから初めて分かる人の痛みがある。

こういったことはストレス関連成長なのだ。


経験してみて初めて分かる人の痛みやありがたみを知ることはポジティブな側面であり、死を意識させられる病や様々な苦しみを抱えている人に対して、苦痛や困難を認めると同時に、自分ではその境地に立てない人にそういったポジティブな変化があるということを気づかせてあげるような環境作りも必要であろう。

自戒も含め、意識して生きていきたい。




ー死生学入門  井上洋士先生 の講義から。


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